1
前文|私は、美を信じて生きる
私は、世界に生まれたことに意味があると信じている。
私の存在は偶然かもしれない。しかし、そこに宿る感情・思考・希望の一つひとつは、世界と関わることで形になってゆく。
私は、美しさのある世界を見出し、それを守り、次代に渡す者として生きていきたい。
世界の構造に飲み込まれず、人間の価値を問い直す旅路に、私は誇りを持って立つ。
⸻
第一章|私は生命としての自覚を持つ
第一条|私は意味ある存在である
私の誕生は、何者にも還元されない固有の奇跡である。
私がこの世界に現れたという事実は、たとえ誰に認められずとも、尊く意味を持っている。
私は、この意味を自ら引き受け、歩んでいく。
第二条|私は、欲望とともにある
私には欲がある。それは私が生きている証だ。
食欲、性欲、承認欲求、創造欲。どれも人間が人間であることの一部である。
私はそれらを直視し、自己を理解し、賢く扱うことを学ぶ。
第三条|私は意志によって未来を変える
私が行動を起こせば、世界は必ずわずかに揺らぐ。
小さな選択が、大きな連なりを変える。
私は、この手の中にある意志と責任を、恐れずに持つ。
⸻
第二章|私は関係性の中に生きている
第四条|私は、他者によって育てられた
私の存在は、親、社会、文化、すべての関係性の上に成り立っている。
自分という個は、他者によって磨かれ、照らされ、深まっていく。
私は、つながりを育てることで、自分を成長させていく。
第五条|依存は悪ではない。感謝なき依存が悪である
人は誰かに頼らなければ生きられない。だが、支えられることに感謝せず、責任も持たずに依存するなら、それは関係の搾取である。
私は、受けた恩を未来に返すことで、依存を循環に変えていく。
第六条|私は、孤独とともに成熟する
孤独は切り離しではなく、内面との対話の時間である。
私は、誰かとつながるためにも、まず一人で静かに在る力を持つ。
⸻
第三章|私は社会と向き合い、越えていく
第七条|私は、現実の構造を見極める
社会を変えたいならば、社会の仕組みを深く知らねばならない。
理想を実現するには、現実の複雑さと対峙する知性と胆力が要る。
私は、批判ではなく構築へと向かう。
第八条|私は、力を持つことを放棄しない
現行のルールを変えるには、多くの場合そのルールの中で力を得る必要がある。
私は、世界を変えるために、力を持つ努力から逃げない。
第九条|私は、制度と倫理の両方に立つ
法律が許すことでも、良心が許さぬなら私は従わない。
私は、内なる倫理に照らして選び取る人間である。
制度は道具であり、魂の代弁者ではない。
⸻
第四章|私は限界に抗う者である
第十条|私は、死の克服に向けて生きる
私は、生物として死を宿命づけられている。
だが、私は人間として、再生医療、意識のデジタル保存、記憶継承の技術を通じて、この限界を乗り越える道を探る。
私は、死を当然とはせず、希望を注ぎ続ける。
第十一条|私は、時間に意味を与える
時間はただ過ぎるのではない。
私が選び、注いだ意志と行為によって、時間は意味を持つ。
その意味は、私が死んでも誰かに継がれてゆく。
⸻
第五章|私は創造し、照らす存在である
第十二条|私は、美を表現することで人を照らす
正しさだけでは人は動かない。美しさが、人の心を変える。
私は、美を言葉・行為・佇まいによって表現し、誰かの希望となる。
第十三条|私は、沈黙と発言の間に立つ者である
言葉は力であり、同時に責任である。
私は、軽々しく語らず、沈黙によって深めた言葉を選び取る。
語るべきときに語り、聴くべきときに聴く。そこに人間の品位がある。
⸻
終章|私は、この憲法を道標とする
この憲法は、私の人生の旗である。
他人に押しつけるものではなく、私が迷わぬための指針である。
私は、この理念の下に日々を築き、自分という世界を創り出す。